ケガや入院などでひとりで生活できなくなり、毒親から「介護しろ」と言われたときに、「どのように対応しよう」と悩んでいませんか?
実は、この記事で紹介する「毒親育ちのあなたが介護で対応すべき3つのこと」を実践すると、あなたの意思を毒親に伝えられます。
なぜなら、私に限らず、アラサー&アラフォー世代の女性は将来的に毒親を介護する可能性があるからです。
この記事では、毒親があなたに介護を要求する理由を3つ紹介して、あなたが行える対応・対策もご紹介します。
この記事を読み終えると、事前のシミュレーションによって実際に毒親から「介護しろ」と言われても、冷静に対処できます。
毒親があなたに「介護しろ」と言う3つの理由

毒親があなたに「介護しろ」と言うのは、あなたに迷惑をかけてもいいと思っているからです。
もちろん、どの毒親もそう思っているとは限りません。「子供に迷惑をかけたくない」と思っている毒親もいます。
しかし、あなたに「介護しろ」と言う毒親は、あなたに迷惑をかけてもいいと思っています。その理由は以下の通りです。
・親の世話は子供がするものだと思っているため
・子供の行動をコントロールできると考えているため
・子供にできることをやってもらいたい
毒親は他人にどのように見られるか世間体を異常に気にするので、「家族の問題は家族内で解決するべき」という考えを強く持っているからです。
親の世話は子供がするものだと思っているため
毒親とっては、自分の思考や価値観が常識です。
毒親が経験して乗り越えられたことは、あなたも乗り越えられると考えているからです。
家庭環境による違いはありますが、介護経験のある毒親は介護と子育てを両立しています。どんな理由があっても、あなたが毒親の介護を放棄するのはおかしいと主張します。
そのため、あなたが今置かれている状況は考慮されません。子育てと仕事を両立する女性が増えて久しく、毒親の世代よりもやることが増えてもお構いなしです。
子供の行動をコントロールできると考えているため
毒親は、自己中心的な思考の持ち主です。
毒親は自分がどんな言動をしても、子供であるあなたが従うと考えているからです。
実際に、成人するまでは子供として扱われるので、毒親の保護・責任のもとで育てられます。毒親の言動がおかしいと感じて反抗しても、結局はそれを受け入れるしかない場合もあります。
この関係が長いほど、毒親はあなたが成人になってもこのやり取りが成立すると認識します。「(あなたに)何を言っても大丈夫」と高を括ります。
子供にできることをやってもらいたい
毒親は、自力でできないことがあると一方的な要求を始めます。毒親自身の生活をラクにしたい思いがあるからです。
毒親はあなたよりも20~40歳以上は年上の高齢者なので、加齢・老化によって今までできていたこともできなくなって、助けが必要になる場合もあります。どんな小さな問題でも解消されれば、毒親も満足するでしょう。
しかし、毒親が小さな要求を頻繁に行うようになったら警戒しましょう。あなたの良心に漬け込み、毒親が要求の内容を少しずつ大きくしていき、あなたが気づいたときには対応できない難題になっている可能性があります。
毒親の介護であなたがすべき4つの対応・対策

毒親から「介護しろ」と言われたときに、あなたが対応すべきことは「毒親の介護について、あなたのスタンスを明確にすることです。
しかし、あなたの時間や体力は有限です。すでにあなたは時間も体力も使っているので、毒親の介護に使える時間や体力が十分にあるとは言えません。
もし、はじめのうちは毒親の介護を引き受けて難なくこなせていたとしても、少しずつ疲れやストレスが溜まり、精神的にも肉体的にもあなたが疲弊してしまうのです。
あなたができる範囲をハッキリさせて対応する
毒親が何を言ってきたとしても、もっとも大事にすべきものはあなたの生活です。
あなたの人生はあなたのものです。毒親の思い通りになるものではないのです。
あなたが毒親の介護をするにしても、介護に使える時間や労力、あなたができることをハッキリさせて、毒親の要求とすり合わせましょう。毒親が難題を押し付けてきても、あなたのできる範囲は変わらないのでキッパリと断る根拠にもなります。
毒親の介護のためにあなたの生活を崩壊させる必要はありません。毒親の圧力に圧倒されたとしても、毅然とした態度で。あなた自身の身を守ることが一番大事です。
期間や時間を決めて対応する
毒親の介護にあてる時間をあなたの生活リズムに合わせるようにします。
あなたの都合を主体にすれば、あなたが無理なく介護しやすくなるからです。
生活リズムには浮き沈みがあるので、忙しいときもあれば時間に余裕ができるときもあります。毎日続けるのは時間的にも体力的にも大変ですが、月単位や週単位、時間帯、もしくは一定期間だけ集中的に介護するなど、臨機応変に対応しやすくなります。
毒親を生理的に受け付けられないと、後述で紹介するように毒親と絶縁したくもなりますが、その前にしばらく毒親と距離を置いてから毒親の介護に向き合うのもひとつの手です。義務的に毒親と関わる必要もありませんが、即決で毒親と絶縁するよりは冷静に判断して決めるのもアリです。
毒親の介護をあきらめる
あなたが毒親の介護をしたいと思っていても、実際にできるとは限りません。
あなたの置かれている状況と毒親の要求が合わないと実現は難しいからです。
たとえば、
・毒親の家(施設)が遠方すぎる
・貯金を含めて、経済的な援助は厳しすぎる
・自分の生活に精一杯で、毒親の介護まで手が回らない
など、あなたが毒親の介護をしたいと思っていても物理的、経済的、時間的にできない場合もあります。
毒親とはいえ親には変わりありませんが、介護のためにあなたの生活やあなた自身が犠牲になる必要はありません。今のあなたが介護に同意しても、先々にあなたが苦しむだけです。
あきらめることが悪いわけではありません。あなた自身を守るためには必要な決断です。毒親が何を言ってきたとしても、罪悪感を抱く必要も、親不孝者だと思う必要もありません。
毒親との関係を断つ(絶縁する)
親子とはいえ違う人間同士なので、無理に関わろうとしなくても問題はないからです。
なぜなら、毒親育ちの中には、
・毒親にネグレクトや虐待を受けてきた
・毒親の過干渉が激しすぎて束縛されてきた
・毒親から「絶縁だ」と言われている
など、幼いころから毒親からひどい仕打ちを受けてきています。
程度に個人差があるので、年齢を重ねて毒親の影響を克服した方もいらっしゃるかもしれません。しかし、毒親の影響が残ったり毒親の言動がトラウマになったりして、今の生活に支障をきたしている場合もあります。
毒親が何を言ってきたとしても、毒親の介護をするかはあなたの自由です。これまでの毒親との関係を振り返って、「これ以上の関わりは無理」と拒絶反応や嫌悪感、憎悪で気が狂いそうであれば、毒親との関係を断ちましょう。
すでに毒親から絶縁宣言されているのであれば、その証拠を残しておきましょう。戸籍上、毒親との血縁関係は残るので、毒親の介護をするよう役所から要請が入る可能性はありますが、毒親の介護を放棄する根拠として、あなたが主張しやすくなります。
毒親の介護で話が決裂したときに知っておきたい対応・対策

毒親は、少しでも思い通りにならないだけであなたを攻撃するのが前提です。
なぜなら、毒親は自分の主張が常識で、その常識が誰にでも通用すると信じているからです。
家族の問題は女性が解決するべきと思っている
毒親によっては、介護を娘のあなただけに押し付けてくる場合があります。
アラサーからアラフォー世代の親世代の母親の多くが専業主婦なので、男性の中には家族の問題を解決するのは女性の役割と信じている方もいらっしゃいます。つまり、女性を低い身分の存在と認識しているのです。
このような男性は、あなただけが介護の適任であるかのように主張します。父親や男きょうだいの高圧的な態度を取る傾向があると、その態度であなたをひるませて従わせようとします。
ただ、主張の内容は男性の都合にあわせているので、主張をひとつひとつひも解くと主張に矛盾している場合もあります。冷静に判断して指摘しつつ、あなたの意思をハッキリ伝えましょう。
毒親の要求をすべて呑む必要はない
毒親によっては、「親不孝者め」「それでも家族か」などとあなたを攻撃します。だから、あなたは良心から「毒親の要求を呑まなければいけないんじゃないか」と悩むでしょう。
しかし、介護はあなたひとりで抱え込む問題でも、あなたひとりが責任を負う問題でもありません。毒親とあなたの置かれている状況はまったく違うので、毒親がどんな要求をしてきても毅然とした態度でいましょう。
毒親の介護方法を公共機関に相談する
介護の問題は家族内だけの問題ではないので、あなたひとりで抱え込む問題ではありません。
毒親を支えるのは家族だけではなく、毒親の生活基盤となる地域やコミュニティの協力も必要になるからです。
わざわざ足を運ぶのは面倒に感じますが、介護に詳しい職員さんもいらっしゃいますし、解決策を見つけられます。介護について協力や相談をあおげる公共機関は以下の通りです。
市区町村の役所の窓口(福祉課)に行く
あなたの近隣にある市区町村の役所にある福祉課へ行くのが、介護の協力や相談をあおぐ最初の一歩です。
介護関係で、市区町村の役所が対応できる介護関係の手続き、相談、問い合わせは以下の通りです。
・介護保険(要介護・要支援)認定申請の受付
・居宅・介護予防サービス計画作成依頼届出書の受付
・居宅介護支援事業者等への支援・指導
・要介護高齢者への在宅の支援
・福祉保健サービスの相談
・介護予防・自立支援サービスの相談
・地域包括ケアの推進に関する問い合わせ
・福祉・保健に関する総合相談
・福祉・保健に関する各種申請の受付
・福祉・保健に関する各種証明書の発行
役所でできることがたくさんありすぎるので、どの窓口に行けばいいのかわからなくなりますよね。なので、まずはあなたの相談内容をハッキリとさせておきましょう。
案内専門の職員さんに用件や相談内容を伝えて、あなたの相談内容に適切な窓口を案内してもらいましょう。
地域包括支援センターに行く
地域包括支援センターは、介護・医療・保健・福祉などのあらゆる側面から高齢者を支える「総合相談窓口」です。
専門知識を持った職員が、高齢者が住み慣れた地域で生活できるように支援する組織です。介護サービス、介護予防サービス、保健福祉サービス、日常生活支援などの相談に乗っていて、介護保険の申請も受け付けています。
市区町村が主体になっていますが、自治体から委託された社会福祉法人、社会福祉協議会、民間企業などが運営している場合もあります。全国に約5,000施設あるので、あなたの家の近くにもあるはずです。調べて行ってみるのもアリですね。
まとめ:毒親の介護するかはあなた主体で決めよう!

上記で紹介した「毒親育ちのあなたが介護で対応すべき3つのこと」を実践していただくと、実際にあなたが毒親の介護をしなければならなくなったときに、あなた主体で冷静に対処できます。
最後にもう一度内容を確認してみましょう。
・毒親があなたに「介護しろ」と言う理由
→毒親の都合に合わせてあなたを利用したい
・毒親の介護であなたがすべき対応・対策
→毒親の介護について、あなたのスタンスを明確にすること
・毒親の介護で話が決裂したときの対応・対策
→毅然とした対応をしつつ、必要に応じて公共機関に相談する
毒親の介護は突然やってくると思いますが、事前に対応・対策を練って実際に介護が必要になった場合に冷静に対応・対策できるようにしましょう。
どのように毒親を介護をするかはあなたの自由です。毒親の主張や批判に惑わされず、あなたが納得できる形になるように、あなたが主体となって進めていきましょう。